整体師、セラピスト、エステティシャンの職業病
整体師、セラピスト、エステティシャンにも、やはり職業病といえるものがいくつかあります。
今回は、そんな手技療法家(セラピスト)の悩める職業病について見ていきましょう!
私は、歴14年の現役セラピストです。
今まで、10店舗以上の様々な形態のサロンにて勤務してまいりました。
現在も、アロマサロンや整体セミナーの運営を通じて、整体、リラクゼーション、エステ業界の特有の悩み(職業病)とも向き合い続けています。
まずは、同業界の典型的な8つの職業病をご覧ください。
8つの職業病
- 指の痛み
- 指のタコ
- 腱鞘炎(手首)
- 腕のしびれ
- 腰痛
- 膝蓋軟骨軟化症
- 肌荒れ
- 感染
以上の8つになります。
ただ、整体、リラク、エステと一口に言っても、メインとなる仕事の内容によって、特に起こりやすい職業病的症状も異なるのです。
職業病の症状を分ける、メインとなる施術業務を4つに分類してみました。
4つの施術業務
- ボディケア(ベッド)
- リフレ(チェア)
- タイ古式(マット)
- アロマ(ベッド)
以上の4つです。
4つの内、どの施術業務をメインに行うかで、特に起こりやすい職業病が分かれるのです。
それでは、8つの職業病と、4つの施術業務による関係性を一覧にてご紹介いたします。
8つの職業病×4つの施術業務
ボディケア | リフレ(チェア) | タイ古式(マット) | アロマ | |
---|---|---|---|---|
1:指の痛み | ★ | ― | ▲ | ― |
2:指のタコ | ― | ★ | ― | ― |
3:腱鞘炎 (手首) | ★ | ― | ★ | ▲ |
4:腕のしびれ | ▲ | ― | ▲ | ▲ |
5:腰痛 | ▲ | 後述 | ★ | ★ |
6:膝蓋軟骨軟化症 | ▲ | ― | ▲ | ― |
7:肌荒れ | ― | ▲ | ― | ▲ |
8:感染 | ― | ▲ | ― | ▲ |
★= 危険(典型的な職業病)
▲ = 注意(起こりうる職業病)
― = 通常は安心
いかがでしょうか?
図にして比較することで、様々な施術業務による、典型的な職業病がわかりますよね。
もちろん、例外もありますので油断は禁物ですよ☆
では、次に、個々の職業病について詳しく見ていきましょう。
整体・リラク業界の職業病の事例
1:指の痛み
- ボディケア
→ とても多い - タイ古式
→ 多い
やはり、通常のボディケア(揉みほぐし)では、親指を圧倒的に多用します。
リラクゼーションや整体サロンを利用するお客様は、強く押されるのが好きなタイプの方が多いのです。
自分の体重の全てを、ほぼ親指一本に乗せて押すのですから、当然、痛みも出ますよね。
親指が柔らかいセラピストほど、早い段階で指に痛みが出ます。
やや硬めのセラピストは、10年位は指は何ともないかもしれません、ただ使用頻度と加齢と供に、指が柔らかく反るようになり痛みが出やすくなります。
カッチカッチの立ち指のセラピストは、指の間接に動きがつきようがないため、指の痛みは出づらいです。
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2:指のタコ
- リフレクソロジー・足つぼ
→ 体質と量による
指のタコと言えば、リフレクソロジーですね
画像の用に、人差し指の第2関節の先で、グリグリと足裏を押し続ける施術を多用するのが、リフレクソロジー(足つぼ)と言われるリラクゼーションの施術法です。
リフレクソロジーは、西洋式、東洋式と二分することもできます
西洋式は比較的弱めになります。そのため、特に指にタコが出来やすいのは、中国式に代表される東洋式の足つぼ療法と、分けて考えることもできるでしょう。
また、同じようなお店で同じように足つぼ業務に従事しても、指にタコができやすいセラピストと、そうでないセラピストがいます。
これは、やり方のコツなどでなく、反復刺激に対する体質による反応の違いです。
3:腱鞘炎(手首の痛み)
- 同業界最大の職業病
→ 細心の注意が必要
実は、手首の腱鞘炎、手首を反らす(背屈させる)と痛む症状は、整体リラクゼーション業界で、最も深刻な職業病の代表です。
ベテランセラピストになるほど、手首の腱鞘炎の悩みを抱える方が多くなります。
そして、同業界の他の職業病と比べて、症状が長期化しやすいのです。
ですので、はじめから手首の腱鞘炎に配慮した施術法を習慣化することが何より大切になります。
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4:腕のシビレ
- 同業界の共通の職業病
→ ベテランほど多い
これも、ベテラン整体師やセラピストには多い傾向にあります。
よく、始めは、指、そして、腕や首肩など『段々と辛さが上に上がってくる』なんて、言われたりします。
やはり、長く施術していると、身体全身に負担が蓄積されてくるからでしょう。
腕のシビレは、腕だけの問題でなく、首から来ている可能性もあります。
無理せず、首肩周りをほぐすようにしましょう。
5:腰痛
- リフレ(チェア)
→ チェアのリフレは腰痛注意 - タイ古式(マット)
→ マットは腰痛が職業病 - アロマ
→ 両手の施術は腰痛注意
元々、腰の弱い方は、セラピストの初期段階から『腰痛』の悩みを抱えるものです。
しかし、不思議なことに腰痛に関しては、手技を反復していく内に〝コツを掴む〟ようで、始めた頃より、段々と腰痛の悩みは消えてきたりします。
もちろん、施術量などはあるでしょう。
そして、“両手で”トリートメントするアロマは、どうしても腰で上半身を支えなければならないため、通常のボディケア以上に腰痛にはなりやすいです。
タイ古式に代表される、マットの手技では〝常に腰を屈めた状態〟でいなければならず、やはり腰痛で辞めていくセラピストは多い傾向にあります。
リクライニングチェアで行うような、リフレクソロジーはたいがいの体系のセラピストにとっては、腰をかがめた窮屈な体制で施術を行うことになるため、腰痛になりやすいです。
同じ座る体制での施術でも、ベッドに横になってもらうタイプのリフレクソロジーでは、背筋が伸びるので腰痛になりづらいです。
腰が弱いタイプのセラピストは、チェアでのリフレを毎日量産するタイプのサロンは身体に負担が大きいかもしれません。
6:膝蓋軟骨軟化症
- ボディケア
→ 膝立ち時は細心の注意を - タイ古式(マット)
→ 膝への負担を考慮して休憩を
膝蓋軟骨軟化症とは、ヒザの裏にある軟骨がすり減ってしまい、パキパキ鳴ったり、痛みを伴ったりするヒザの老化が促進される症状のことです。
画像のように、施術中に硬い床に膝をついて施術していると、結構早い段階でも、膝蓋軟骨軟化症になってしまいます。
また、タイ古式に代表されるマットの手技では、ヒザ立ちの姿勢が多くなるので、どうしてもヒザは痛めやすくなります。
ベッドでの施術では、できるだけ直にヒザ立ちせず、自分のスリッパを間に挟むなどしてください。
痛みのない内はメンドウに感じるかもしれませんが、後で後悔することになりますので。
マットの手技では、ヒザ押しも施術で使用したりするので、バレーボールの際のヒザパッドも邪魔になりやすく、対処に限界はあるかもしれませんが、可能な限り、厚めでクッション性の高いマットを使用するようにしましょう。
7:肌荒れ
- リフレクソロジー・足つぼ
→ 体質にもよるが油断はせず - アロマ
→ 体質にもよるが油断はせず
肌荒れに関しては、個人差が大きいかもしれません。
ですが、ボディケアやタイ古式などオイルを使用せず、タオルの上からの施術の場合は、通常は肌荒れの心配はありません。
リフレクソロジーやアロママッサージなど、日常的にオイルを多用する施術法の場合、どうしても手を洗う回数も頻繁になります。
ですので、いくら良いオイルを使用していても、手洗い後の乾燥などにより、どうしても肌への負担は避けられません。
また、一般のリラクゼーションや整体のお店で使用しているのは〝ミネラルオイル〟という鉱物油ですので、日常的にお肌にすり込まれることが、お肌にとって適切かどうかはわかりません。
もちろん、体質が大きく左右するところではあるでしょう。
8:感染
- リフレクソロジー・足つぼ
→ 感染の実例があるようです - アロマ
→ 感染の可能性も忘れず
リフレクソロジーやアロマなど、お客様の肌に直に触れる手技では、感染するケースもあります。
私は、14年のセラピスト歴の中で、感染を目の当たりにしたケースは一度もありませんでしたが。
中には、リフレクソロジーの際に、感染防止のためにゴム手袋を使用して施術しているセラピストもいました。
皮膚のバリア機能は通常は強いので、そう簡単に感染することはないかもしれませんが。
常に、お客様の肌に以上はないか、警戒するに越したことはないでしょう。
まとめ
残念ながら、どの仕事にも職業病は付き物です。
特に、身体を酷使するセラピストの職業病は、
- まず関節への負担
- そしてお肌の負担
と、大きく2つの悩みに分類することができますね。
身体のプロだからこそ、自分の身体にかかる負担まで、しっかりと計算に入れながら〝生涯〟働けるようにしましょう。
くれぐれも無理はなさらずに…
どうか、末永いセラピスト生活を☆
セラピストの苦悩の代表セラピスト、整体師、エステティシャンの皆さま。今、一人で悩みを抱えて苦しんではいませんか? 腱鞘炎(けんしょうえん)… 人間関係… 年齢(何歳まで)… 整体の独学の方法…[…]