ホテルスパサロンのコロナ禍の実態とは〜勤務セラピストの実体験より

新型コロナウイルスの影響を受け、整体・エステ・リラクゼーションといったサロンでは、多くのセラピストさんがさまざまな困難に直面したのではないでしょうか?

集客が思うようにいかず経営は悪化し、その日その日を乗り切るため試行錯誤する毎日が続いたと思います。

私は現在ホテルスパで働くセラピストです。

ホテル業界もかつてないぐらい大きなダメージを受けました。

いまだ収束の目処が立たないまま2年以上が経過し、外出の制限がされてから一定の時が経ちました。

ここでは、今日までコロナ渦の影響によって、ホテルスパが直面した様々な困難と取り組みについてお話ししたいと思います。

旅行客の減少によりホテルスパは大打撃…

コロナ感染の渦が治らない今、観光・ホテル業界では経営に大きな影響がでています。

私が勤めてるホテルスパでも客足が減り、不安定な日々が長いこと続いています。

移動制限やテレワークの増加により、外国人観光客ばかりでなく、旅行する日本人や出張するビジネスマンの数も激減しているからです。

ホテルの稼働率が下がれば、ホテルに併設しているスパも当然客足が減っていきます。

1回目の緊急事態宣言が発令された時は臨時休業が実施され、やむをえず当面の間休館となる時期もありました。

ホテルスパサロンのコロナ対策とは

ホテルスパでは感染拡大の原因となる従業員と宿泊客、宿泊客同士、従業員同士の接触を避けるために様々な対策を立てました。

①各場面での対策

【来館時】
  • 受付にて検温チェックと消毒。
  • 入り口で消毒してもらい、新しくマスクのお取り替えのご協力も徹底する。
【施術前】
  • 従業員とお客様、お客様同士の接触を極力控えるため、対面式でのカウンセリングは控える。
  • 一定の距離を確保するため、間隔開けての施術台へご案内。
【施術中】
  • お客様にはマスクを着用したままマッサージを受けていただく。
  • セラピストはマスクの上からフェイスシールド着用してマッサージする。
  • 簡単な体調チェックなど以外の会話は控える。
  • 個室の場合扉は閉め切らない。
【施術後】
  • お帰りの後はインタバールの時間を多めに取り、清掃・消毒を徹底的に行う。
  • ドアを開け換気をする。
  • お客様が触れたと思わるところを入念に消毒する(ドアノブ、ベッド、枕、椅子、トレイなど)。
  • シーツやタオルはこまめに交換する。
  • 使用済みの紙ショーツやピローシート、マスクなどのゴミはビニール袋に密閉して捨てる。
  • ドリンク提供は控える。

②勤務形態

  • 不要不急の外出自粛に伴い営業時間の短縮と予約がない場合は早上がり。
  • スタッフの人数を1日2〜3人を上限にしたシフトの調整。

③価格設定

  • GoToトラベル事業の導入で集客を試みる。
  • ホテルと共同でスパ券などのお得なプランを作成。

 

セラピストとお客様のそれぞれ抱える悩みとは?

コロナウイルスで不安やストレスが心にあたえる負担は、これ以上にないほど深刻な問題になっていると思います。長期に渡り、私たちの仕事や生活に影響をもたらし、当たり前の日常が一変しました。

大きな環境の変化と共に、セラピストの悩みやお客様の悩みにどのような影響を与えたのか、それぞれまとめてみました。

セラピストの悩み

  • 集中力の減退が原因で仕事に身が入らない。
  • 仕事をする日や時間が安定しないなど生活リズムの乱れ。
  • 感染リスクを負ってまで施術する。
  • 施術する機会が減って、一回の施術で手や腰が痛くなるなど筋力の低下。
  • 感覚が鈍り満足する施術ができなかった。
  • モチベーションが下がり気分が落ち込む。

お客様の悩み

  • 運動不足による筋力の低下。
  • マスク生活による肌の悩み。
  • 人と会う機会が減った。
  • テレワークで目・肩こり・頭が重いなど痛みが増した。
  • 夜ぐっすり眠れない。
  • ちょっと風邪気味になったらコロナに疑われ不安。

外出自粛が続くことで、お客様、セラピスト、どちらも心の不調を訴えています。自由な生活が奪われ、さすがに疲れてしまったと感じてしまうのは当たり前のことです。

緊急事態宣言やまんえん防止処置を繰り返すことすでに2年が経過し、我慢の限界がきてると思います。

マイナスだけじゃない!新たな働き方の中で生まれたプラス要因

感染予防対策はもちろんのこと、一人ひとり毎日体調チェックを行っています。

空き時間が増えたことで以前よりも、練習時間を確保できるようになり、お互い練習しあうことで、新しい発見や技術向上に努めています。

スタッフ同士助け合いの精神が生まれ、会話する機会が増えて親交を深めることができました。

何より、お客様一人ひとりと向き合う時間が増えたため、余裕を持って対応できて満足度アップにもつながりました。

どうなる?今後のホテルスパ

今も緊急事態宣言やまんえん防止処置が発令されると、ホテルスパを利用されるお客様は一気に減少します。

そこで今一度、集客方法の見直しが必要になります。コロナ前のような忙しさに戻すのは今のところ厳しいですが、一人でも多くの方に定期的に通っていただけるよう、地域の方達との繋がりをもっと強くする必要があると思います。

高級感が表に出ていて「とっつきにくい」「通いづらい」など親近感が生まれにくいイメージの中、どのようにして距離感を縮めていくかが今後の課題だと思います。

 

まとめ

まだまだコロ渦が治らないなか、ホテルスパに与える影響はいまだ強いです。以前のような客足が増えることは今の所難しいのが現状です。

生活が変わることで、私たちセラピストに求める悩みも変化してきています。

徐々に新しい価値観やライフスタイルが生ま初め、私たちセラピストにとっても常識にとらわれず、常に新しいアイデアを生み出すことが求められるでしょう。

 

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