ガチガチ背中のほぐし方【3つのコツ】
ガチガチ背中のほぐし方についてです。
マッサージ店舗のお客様で、最もハードリピーターになるのが、ガチガチさんですね。
ですので、この、ガチガチ背中を以下に効率的に緩めることができるか?で、指名の数に大きく影響がでるのです。
そこで、今回は、今まさに、指名を増やしたいセラピストや、新たなスキルを習得したいセラピストに向けて。
一筋縄ではいかない、巨岩石(きょがんせき)を効率的に緩める3つのコツについてお伝えします。
- 早めに骨を動かす
- フィンガーファング
- 剛圧
3つのコツ『コレでダメなら諦めよう』
1:早めに骨を動かす
ガチガチな筋肉へ押圧する前に、まずは、筋肉がついている骨を動かそう!
巨岩石(きょがんせき)に、イキナリ真っ向勝負しても、指を痛めるだけです。
まずは、ガチガチの筋肉自体でなく、その付着部である、骨を動かすのです。
先に骨を動かすと、背中や肩回りの筋肉を、効率的(省エネ)に、しかも広域に動かすことができます。
例えば
- 肩甲骨
- 肋骨
肩甲骨には、17個もの筋肉が付着しています。
【肩甲骨に付着する筋肉】
1.僧帽筋
2.三角筋
3.広背筋
4.上腕三頭筋(長頭)
5.前鋸筋
6.棘上筋
7.棘下筋
8.肩甲下筋
9.小円筋
10.大円筋
11.肩甲挙筋
12.上腕二頭筋
13.大菱形筋
14.小菱形筋
15.烏口腕筋
16.小胸筋
17.肩甲舌骨筋(下腹)
凄い数ですよね。
メジャーなところでも、16個もの筋肉が付着しています。
背中がガチガチになるということは、これらの筋肉が、何層にも渡り硬くなり固まり、そして、一枚のガチガチ背中を作っています。
ですので、それらを分離する意味で、筋肉の土台である、骨を先に動かすことが大切なのです。
肋骨や、棘突起などは、肩甲骨のように、グリグリ動かすわけではないですが、本来あるべき可動の範囲内でモービリゼーション的な刺激を加えてあげると有効です。
骨を動かす手技一例
うつ伏せでの肩甲骨のよせ回し
肩甲骨を内によせながら、回します。
例えば、内によせれば、菱形筋が緩むと共に、前鋸筋がストレッチされます。
肩甲骨を内によせ回す手技の悪い例です。
ヒジが手前にあるため、手力(てじから)で押してしまっています。
肘をポイントより奥にする位の気持ちで身体を乗り出すと、楽に胸部でホールドできます。
横向きでの肩甲骨はがし
四指を強く保ち、肩甲骨の内側縁へ差し込みます。
前側の手(画像では右手)は、優しく肩(烏口突起も意識)をホールドします。
お客様が倒れないように、足腰をベッドに乗せて、お客様に密着させます。
前側にある、肩甲骨の烏口突起(うこうとっき)にも動きを伝えましょう。
ただ、痛い場所なので、小指球(しょうしきゅう)のあたりで柔らかく包みます。
横向きでの肩甲骨引き上げ
施術ベッドの上に乗ります。(慌てずゆっくり)
肩甲骨をホールドしたら、ヒザとヒジを一体化させます。
あとは、引き上げながら、体重で肩甲骨を回していきます。
不思議なほど、手力は入りません。
肩甲骨が掴めれば、体重で倒れ込む力がダイレクトに肩甲骨に伝わります。
第一肋骨へのモービリゼーション
第一肋骨、第二肋骨へのソフトモービリゼーションです。
ピン&ストレッチの要領で行います。
手掌~手根(小指球より)のあたりでコンタクトポイントを作ります。
施術者の片手(画像では右手)で、お客様の肩関節を外転(頭上へ上げる)ように動かしながら、僧帽筋上部線維などの表層の筋肉を緩めた状態を作り、施術者の左手の小指球~手根部あたりで、お客様の第一肋骨~第二肋骨あたりへコンタクト。
肋骨の感覚を感じながらコンタクトをキープしつつ(これがピン)、お客様の肩を内転(下して)させていきます(この時、斜角筋などにストレッチがかかります)。
コンタクト面が広いので、斜角筋のストレッチというより、第一肋骨と第二肋骨へのソフトモービリゼーションというイメージで。
2:フィンガーファング
フィンガー(指)ファング(牙)を用いて、指を守りながら、強圧をしよう!
本来の押圧は、指(拇指)の力を抜きます。あくまで、親指は体重移動の圧の波を伝える道具であり、お客様の身体の状態を感じ取るセンサーです。
しかし、本来の手法では、指にかかる負担がデカく、ガチガチ背中対策として、応用編として、フィンガーファングの使い方も覚えてください。
首の第一ラインでのフィンガーファングの使用例です。
親指の第一関節を屈曲させながら、差し込みます。
胸椎や腰椎のラインでの使用できます。
必ずしも、基本である、体重圧より圧が入るというわけでは、ありませんが、施術者の指にかかる負担を分散、軽減させるには有効です。
3:剛圧
いつもオススメしている流圧の反対の施術法です。
けっこう、剛圧ベースのセラピストもいますけどね。
【流圧の流れ】
- コンタクト
- 重心移動
- 圧が入る
- 重心移動→圧が抜ける
流圧は整体の基本です。
基本的に、剛圧は流圧の反対です。
【剛圧の流れ,1】
- 圧を入れる
【剛圧の流れ,2】
- 重心移動
- 圧を入れる
剛圧と流圧
剛圧は流圧と対比して理解しよう。
剛圧と流圧
剛圧 | 流圧 | |
---|---|---|
速度 | ・瞬間的 ・リズミカル | ・ジンワリ ・波のように |
手元 | ・力を入れる | ・脱力 |
体重移動 | ・少な目 | ・ほぼ全て |
「圧のパンチ」のイメージ。
とにかく、ガチガチさんの感覚へ届ける!
指に力を入れて、自分の指を守ろう。
そのため、やはり剛圧は、基本である、流圧がある程度(できれば完全に)身についた方むけの手法です。
まとめ
ここで、ご紹介した手法を用いれば、今までより、楽にガチガチ背中を相手にすることができます。
ただ、それで、ガチガチ背中やガチガチ肩のお客様の指名が増えたらどうでしょうか?
あなたは、より楽しく働けますか?
そう考えると、やはり、無理して指名を増やすよりも大切なことがあると思います。
続きは以下のブログで☆
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