もう一つの技術、会話と接客。
セラピストや整体師、エステティシャンの皆さま。
日々技術を磨きながら、お客様に満足していただくために精進されていることと思います。
中には、技術は自信があるけれど、接客や会話が苦手…というセラピストの方もいるのではないでしょうか?
お客様と信頼関係を築き、心地よく過ごしていただいた上で。
施術に満足していただくことで、『ぜひ、また来たい』と、リピートを取れますよね。
そのためには。
技術はもちろん。会話と接客マナーが〝超重要〟になるのは、周知の事実です。
きっと、お店によっては〝声かけのタイミング〟など、決まったものがあるサロンもあるでしょう。
ですが、いくら技術や形式などの〝基本〟を身に付けても、なかなか難しいのが。
お客様が〝つい心を許してしまう〟ような会話、接客のコミュニケーションです。
会話や接客コミュニケーションの苦手な方は、お客様が来店する度に「会話しないと!」と思ってしまい、自分が疲れてしまいます。
何年もお仕事をしているうちに、ある程度は、会話、接客のコミュニケーションも身についてはくるでしょうが、やはり、苦手なままの方もいるかと思います。
ですが、実は…
会話も接客も〝ちょっとした方法〟を知っているだけで、自分も余計なエネルギーを使わず、お客様にご満足いただき、施術に集中することができるようになるのです!
ですので、今回は、その〝ちょっとした方法〟についてお話ししますね☆
セラピストとエステティシャンの会話と接客上達法【3つのヒント】
- お客様が安心感を抱く声をだす
- ラポール形成をおこなう
- 心地よくなる接客マナー
①お客様が安心感を抱く声がある
声でお客様の受ける印象は大きく変わってきます。
話をするとき声が先に脳に届き、内容は後から届きます。
この人は印象がいいな、なんだかさわやかだな、ちょっと暗くて好感がもてないな、など、相手は一瞬で相手の印象を判断します。
相手に快く聞こえる声のトーンは「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の「ソ」の音だといわれています。
少し高めの音だなと思うかもしれませんが、明るい印象を与え、楽しそう、爽やかなどプラスの印象を与え、耳触りがいい、心地良いと言われている音です。
明るい印象の「ソ」の音は、最初の挨拶の際に意識して使うとよいですね。最初の印象がその後も長く記憶に残ってしまうものです。
やはり、第一印象は大切にしたいですね。その後、信頼関係を築くラポール形成を試してみてください。
また、少し低めの落ち着いたトーンは相手に安心感と信頼感を与えて知性的に聞こえるといわれています。
商品の説明や、相談などは低めの音、音階でいうと「ド」の音が相手を落ち着かせてくれるといわれています。
②ラポール形成をおこなう
コミュニケーションスキルに「ラポール形成」というものがあります。
ひょっとしたら、ネーミングからして、なんか難しそう…と思うかもしれませんね。
なかには難しいものもありますが、日常のコミュニケーションに簡単に取り入れることができるものもたくさんあります。
簡単に使えて、お客様との信頼関係を築き、コミュニケーションをスムーズに進めることができるものがあるならば使わない手はないですよね!
「ラポール」とは「信頼関係を形成すること」です。
リラクゼーションサロンでいうと、
セラピストとお客様が、お互いを信頼し、自然な感情の交流が行えている状態を意味します。
ラポール形成ができると、初めてお会いするお客様はもちろん、恋愛や、人生の豊かな人間関係の形成にも役立てることができます。
反対に、ラポール形成ができていないと、より良い関係を築くことは難しいです。
あなたがどんなに技術力があっても、すばらしい商品を提示したとしても、相手の心に届かなかったり、もう一度来たいという気持ちになってもらうまでに至らずに終わってしまうでしょう。
その前に。
テクニックを身に付ける前に、お客様との信頼関係を築くうえで大切にしていただきたいものがあります。
それは一人一人、来てくださるお客様を尊重することです。
セラピストやエステティシャンの方なら、そんなこと当然だと思うかもしれません。
しかし。
自分の満足感のために相手を動かし、コントロールするのではなく、相手が生まれてから今まで体験し、作られてきた世界観を尊重しながら、本当の意味での接客ができている方は、実際は、少ないのではないでしょうか?
そして。
相手を尊重し、信頼関係を築きたい、という思いを行動に示したものこそ「話を聞く姿勢」です。
お客様の世界観を尊重しながら、少しでも共感する部分をみつけ、自分の価値観を押し付けないで話を聞く。
意識しながら、相手の話を聞く。ということが大切です。
それでは、いよいよ〝テクニック〟です。
「今すぐ使える」ラポール(信頼関係)形成テクニック!!
ぜひ、ご覧ください♪
ラポール形成3つのテクニック
- ミラーリング
- ペーシング
- バックトラッキング
ミラーリング
ミラーリングは文字通り、相手の動きを鏡に映したかのようにまねをするテクニックです。
人は自分に似た存在に親しみを覚えます。この心理を利用し、相手の姿勢や動作をまねることでラポールを形成していきます。
始めて会った人でも、同じ趣味を持っていたり、出身地が同じであったり、同じような境遇や体験をしていたり、自分と重なるものを見つけると、安心感や好感を感じ、心の距離がぐっと近づきます。
これは、姿、形が似ていても感じるものです。
自分と同じ動きをする相手には仲間意識が生まれ、他人という壁が取り払われていきます。
ここで注意が必要なのはあくまでもさりげなくするということです。
相手が困った顔をしたら同じように困った顔をしてみる。相手が首を傾げたら同じように動いてみる。接客中は基本笑顔での対応ではあるかと思いますが、相手に合わせてさりげなく動きを合わせていくということが大切です。
※意識しすぎてすべての行動をまねてしまうと、かえって不信感を感じてしまいますので、やりすぎには注意が必要です。
ミラーリングの対象
- 姿勢
- 動作
- 表情
- まばたきの速度
などがありますよ☆
ペーシング
ペーシング(pacing)とはペース(pace)という言葉が使われている通り、声のトーンや大きさ、会話の速度、表情などを相手のペースに合わせていくというものです。
お客様が静かな語り口であれば、静かな調子で。
声の大きな方であれば、大きめの声で。
など、声の大きさや高さを合わせていきます。
お客様が静かな調子で話しているのに、セラピストやエステティシャンがテンション高く大きな声で話していてはお客様も違和感を感じ疲れてしまいます。
※これもやりすぎには注意です。相手の雰囲気に合わせて話すくらいが丁度よいでしょう。
バックトラッキング
バックトラッキングとは、相手が発した言葉をオウム返しに言葉を返すものです。
オウム返しといってもすべての言葉を繰り返すわけではありません。
相手に「あなたの話をよく聞いていますよ」「なるほど理解しましたよ」という意味をこめて返す言葉なので、会話の中でキーワードになりそうな言葉であったり、相手が気持ちを込めて発している言葉を返してあげることが大切です。
特に相手が女性のお客様の場合、セラピストやエステティシャンの側から共感していますよ、というサインを送ってあげることはとても重要になります。
女性は、共感することで安心感を得るといわれています。
これはリラクゼーションやエステサロンの接客だけでなく、プライベートでも大切なポイントですね。
あまりにも同じ言葉ばかり繰り返されると馬鹿にされているように感じてしまうこともありますので、接客の際はもう一工夫、自分の言葉を付け加えることも必要になります。
たとえば
「最近ヨガを始めました」「ヨガは気持ちいいですよね」など、繰り返してはいても言葉のキャッチボールになっていますよね。
③心地よくなる接客マナー
挨拶で心を伝える
お客様がサロンで過ごす時間が気持ちの良いものであるように所々声掛けする挨拶はとても大切なものです。
自然に口から流れ出るよう、基本的な挨拶は覚えていたほうがよいでしょう!
- いらっしゃいませ
- お待ちしておりました
- はい、かしこまりました
- さようでございますか
- こちらへどうぞ
- 少々お待ちくださいませ
- たいへんお待たせいたしました
- ごゆっくりどうぞ
- 失礼いたします
- おそれいります
- 申し訳ございません
- ありがとうございました
あいづちをうつ
お客様に〝あなたの話を聞いてますよ〟とわかりやすく示す行動です。
相手の話に、ゆっくり間をあけながら、大きくうなずくだけでも〝聞き上手な〟良い印象を与えます。
これも、始めは意識して行うことで、自然と習慣になりますよ!
おすすめの本
会話と接客について、楽しく学べる本を一つご紹介します。
様々な人間関係を、魔法のように解決する会話とは?
その問への答えが本書に記されています。
難しい専門的な知識を必要とせず、だれでも知っている言葉を上手くつなぎ合わせるだけで、〝様々な関係〟が、不幸から幸福へ簡単にひっくり返ってしまう、本当に魔法の会話法です。
「スキルアップを目指す」セラピストや、整体師、エステティシャンの皆さまに、ぜひ☆
まとめ
いかがでしたか?
決して、難しく考えずに、少しずつ楽しみながらお試しくださいね♪
では、お伝えした内容をまとめておきましょう。
【3つのヒント】
- お客様が安心感を抱く声がある
→ ソとドの音階を上手に使う - ラポール形成をおこなう
→ ラポール形成3つのテクニック - 心地よくなる接客マナー
→ 挨拶、あいづち
どれもお客様を『よく観察すること』『意識して行うこと』が大切になります。
ひとつひとつは〝簡単に試せる〟ものですので、お客様との信頼関係、安心感を育てるのに、ぜひお役立てください☆