男性整体師より
前回の記事では、女性セラピスト直伝として、『女性のお客様へ特に気を付けたい6つの言葉』についてご紹介してきました。
今回は、その男性編です。
歴14年の現役男性整体師として、私が実際に現場で、特に男性のお客様へ気を付けている話題を7つご紹介します。
一方でこの内容は…
何より、男性である私自身がお客様としてリラクゼーション店舗を利用するときに、ぜひ配慮してほしい話題でもあります。
ですので、かなりリアルな内容となっています!
男女共通の部分も多いかとは思いますが、ぜひ、特に女性施術家の皆さまには〝男性特有の心のヒダ〟について理解を深めるきっかけとしていただけたらと思います。
それでは、どうぞご覧ください。
男性のお客様に“特に気をつけたい”7つの話題
1:仕事の話
具体的な職業の話を整体師から聞くことは避けた方が無難です。
なぜなら、答えづらい場合が意外なほど多いからです。
たとえば、同業者。つまり、お客様がリラクゼーションセラピストだったり、整体師だったりした場合です。せっかく、休みにいったり、治療しに行ったりしているところ、同業だと名乗らせることは、相手に対しての配慮に欠けますよね。
たとえば、公務員。警察や、政治家などある種のイメージが強く定着している仕事をされている方は、やはり具体的な職種を名乗りづらい場合が多いです。お仕事上、どうしてもお堅いイメージが強い仕事もあります。実は男性自身、特にプライベートではその感覚を強く自覚しているのです。お客様が、公務員と言ってきたら、公務員で止めてあげてください。
たとえば、アルバイト。アルバイトに限らずですが、社会的にあまり評価が高くない仕事というのは実際に多々あります。また、往々にして社会的評価に比例して給料の額にも差があるため、余計に言いたくないのです。男性が職業の話題を自ら振ってこない時には、細心の注意を払って、仕事の話題から遠のきましょう。
たとえば、法的、時世的にグレーな仕事。一例をあげると、少し前の日本には、クジラ肉の製造販売の仕事がありました。古来より日本では、クジラ肉を食べる文化がありそのために捕鯨(ほげい)を行ってきましたが、近年の欧米を中心とする国際世論の影響を受け、クジラ肉に関する仕事はほぼ消えてしまいました。法的、時世的な流れで、職業のイメージが簡単に変わってしまうのが現実です。
日本政府は、2018年12月26日、クジラの資源管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を発表した。
引用元: 国際捕鯨委員会(IWC)脱退
他にも、言いたくない可能性がある仕事は、本当にたくさんあります。
さらに、まだまだ日本では〝職業=男の評価基準〟という考え方が根強いです。何より多くの男性が、大なり小なりそう感じています。
整体やリラクゼーション店舗は、心身を休める場所です。自慢させることも、辱めることもなく、ただ深いリラクゼーションへ誘うためには、具体的なお仕事の話はできるだけ避けた方が無難でしょう。
2:恋人の話題
これは、ひょっとしたら嬉しい可能性も極わずかですがあります。
まず、例外的に嬉しい場合の2パターンです。
1つ目は、凄い信頼のある男性整体師と、男性のお客様の場合です。気を使わずにお互いの素性を話し合うことで、単に親交が深まるレベルを超えて、飲み会や、彼女の紹介など実益に結び付くような場合がそれです。
2つ目は、好意がある女性セラピストから聞かれた場合です。これも、今後の伸展の可能性に繋がるため、モロ実益です。
男性は女性同様、恋は好きだけど、女性と異なり、恋バナはさほど好きじゃない傾向があります。
恋の話、恋人の話というのは、男性からしたら、ただのプライベートな話題です。整体師の先生や、リラクゼーションセラピストの方の施術を受けながら、気さくに話したいような話題ではありません。
この点は、女性同士の場合とは、大分感覚が異なるように見受けられますので、特に女性施術者の方は、お客様が男性の場合は、気持ちを切り替えてご接客いただければと思います。
3:否定
このことは、男女共通でしょう。
でも、特に、理屈派でプライドが高い傾向を持つ男性は、否定されることを女性以上に嫌います。
気を付けていただきたいのは、相手がコワモテの男性の時でなく、相手がとても弱弱しい男性の時です。
施術者も人間ですので、相手を見て気が緩んでしまうものです。たしかに、優しそうな男性は、ちょっとやそっとの失言では、簡単には不満をあらわにしないでしょう。
しかし、腹の中は、みんな同じです。
基本的に、お客様は、お客様意識でいます。
ですので、何で、お客様である自分が否定されなきゃいけないの…と、あとでジワジワと腹の中に不満が充満してしまうものです。
油断してしまう気持ちは、よくわかりますが、どんなに優しそうな男性でも、心の中には、とても生真面目で神経質な悪魔が住んでいることを忘れないようにしましょう。
4:説法(せっぽう)に繋がる質問
たとえば、以下のようなケースです。
「誰々様は、選挙もう行かれましたか~?」
「自分、恥ずかしながら選挙行かないんです」
「え~、もったいない。」
など、たとえば〝選挙は行くべき〟などの、ある種の概念がある事柄に対しての質問は、避けた方が無難です。
ただ、どうしても整体師だって自分の得意分野の話題には、つい話を膨らませてしまうものですよね。つい、口が滑って説法に繋がる可能性のある質問をしてしまった場合は、とにかく、相手の話の腰を折らないことだけは、肝に銘じておきましょう。
じゃあ聞くなよ…(-“-)
整体師から聞かれた質問に対して、素直に答えたあげく、整体師さんの正解を聞かされたんじゃ余計に腹が立ちますからね。
5:指導
よかれと思って発言しているつもりが、相手からしたら大迷惑です。
とにかく、相手の話を聞く姿勢を大切にしてください。
基本、会話はお客様に主導権を持たせた方が無難です。
整体師が聞くのは、力加減などの施術に関する事柄や、熱くないか寒くないか、トイレに行きたくないか、など〝今まさに〟お客様が聞かれてプラスになることだけにするとよいです。
施術で深い満足を与えたうえで、始めて指導が許される位の気持ちでよいと思います。
今、昔ながらの整体院・治療院が減り、代わりにリラクゼーション店舗が増えています。お客様が本当に求めていることだけを、安心して享受できる業態、指導される心配のより少ない業種が、リラクゼーションだからでしょう。
6:強めな次回予約
次回予約を聞くことがマニュアルの整体院もあるでしょう。
現場で実践されている方は、ご存知かと思いますが、次回予約を入れてくれるのは、圧倒的に女性のお客様です。
男性のお客様の場合、基本、いったん持ち帰ったうえでの判断を望みます。まだ、施術効果の真否が定かではない、受け終わった直後に次回の予約を入れる意味が、男性にはよくわからないからです。
この点、女性のお客様の場合、かなり異なります。
基本、女性というのは素直で優しく、なにより、他者に必要とされることを好みます。ですので、多少、強めな次回予約もプラスの視点で捉えていると考えられます。また、女性は、会話の中での頭の回転が早いので、なんか面倒だから「とりあえず次回予約入れといて、嫌なら後でキャンセルすればいいや」と予約の移動までも、柔軟に捉えているのでしょう。
対して、男性は、相手発信の情報に対しては、極めて警戒心が強く働きます。これは、カリ、戦(いくさ)など、古来より、命がけの騙しあいの中で、生きてきた習性なのかもしれません。男性が、次回予約に応じるときは、半ば心の中で決めていた場合のみです。
ただ、男性の場合、一度ファンになると、今度は、ず~っと毎週次回予約を入れて通い続けてくれたりもします。美容室や、整体リラクゼーションなどのサービスに対しては、男性の方が女性に比べて〝圧倒的に一途〟なのです。
7:過度な治療系のアドバイス
これも、男女共通です。
ただ、特に男性は、自分なりの考えが極めて強固なため、過度な治療的なアドバイスを不快に感じてしまうものです。
よくあるのが、以下のケースです。
「右の首と、右の腰中心でお願いします」
「お客様、左側の方がこってますよ」
「どちらかというと、左ですね~」
などといって、施術者がポイントを決めてしますケースです。
受け慣れている方の場合、自分がどこをどのように押されたら楽になるのか、身体で理解してきています。その場合、似たような刺激を求めて、感覚的な欲求から来店されていると考えられます。
体の反応には、個体差が大きく、その感覚を理解できないのにも関わらず、単に筋肉が硬い方をほぐすことが正解なのでしょうか?
神経、関節、コリ、筋肉の発育具合など、さまざまな要因から外的感覚の左右差が生まれ、そして、内的感覚の左右差も生まれています。
お客様の内的な反応を無視して、施術者の外的な感覚だけで施術の方向性を決めるような整体師は、自己の内的感覚に自分なりの答えを持つ、男性のお客様には好まれないでしょう。
頑固な昔ながらの整体師を好むのは、やはり、どちらかというと女性のお客様ですね。
実は、男性のお客様は簡単です。とにかく、褒めることです。「男性に褒め過ぎはない」その位の気持ちで大丈夫です。
なぜだかわかりませんが、男性は、とかく褒められたいのです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、【男性整体師直伝】男性のお客様へ特に気を付けたい7つの話題、と題して書いてまいりました。
ちなみに、私は、男性の中でも割とナイーブ(神経質)なタイプです(^^ゞ
実際は、もっと気楽で寛容な男性も大勢います。
最後にこれだけ。
〝男性共通法則〟さえ忘れなければ、まず大丈夫です。
それは、とかく褒めること。
つまり、持ち上げの法則です☆